おもろさうし/第十一
首里ゑとのおもろ御さうし 第十一
はつにしやが節
[edit]11-556(1)
一東方の大主/大主が 思い子/てだの形 もちろちへど おわる/又てだが穴の大主
一あかるいの大ぬし/〳〵が おもいぐわ/てたのかた もちろちへと おわる/又てたかあなの大ぬし
はつにしやが節
[edit]11-557(2)
一東方に 咲く花/天 鳴響で 咲く花/又大祖父が おわにや/ゑんげらへ 有らまし/又汲む清水やちよむ/見ちへ行ぢへ 息 伸ばまし/又くたる頂やちよむ/見ちへ行ぢへ 肝 伸ばまし
一あかるいに さくはな/天 とよて さくはな/又うきおほちか おわにや/ゑんけらへ あらまし/又くむさうすやちよむ/みちへいちへ いき のはまし/又くたるつちやよむ
くめのきみはいが節
[edit]11-558(3)
一おもと嶽司子/久米の島 おわちへ/世直しが おわちへ/又きちやら嶽司子/成さが前 おわちへ/又首里杜按司添い/十百末/按司添い ちよわれ/又真玉杜按司添い/十百末/按司添いす/又八重山島ぎやめむ/波照間島ぎやめむ/十百末/按司添いす/又与那国ぎやめむ/波照間ぎやめむ/十百末/按司添いす/又縄 渡ちへ/糸 渡ちへ/十百末/按司添いす ちよわれ
一おもとたけつかさこ/くめのしま おわちへ/よなおしか おわちへ/又きちやらたけつかさこ/なさがまえ おわちへ/又しよりもりあちおそい/ともゝすへ/あんしおそいす ちよわれ/又またまもりあちおそい/ともゝすへ/あちおそいす/又やへましまきやめむ/はたらしまきやめむ/ともゝすゑ/あちおそいす/又いなくにきやめむ/はてるまきやめむ/ともゝすゑ/あんしおそいす/又なわ わたちへ/いと わたちへ/ともゝすゑ/あんしおそいす ちよわれ
くめのきみはへが節
[edit]11-559(4)
一おぼつ 居て 見れば/さりよこ 為ちへ 見れば/綾庭の 珍らしや/又中地綾庭に/ゑんげらへ 有りる/又仲地奇せ庭に/むかげらへて 有りる/又真鳴響たが 使いしよ/久米の島 おわちやれ/又吾がころが 使いしよ/成さが島 おわちやれ/又大祖父が世やてや/百甕む 据へまし/又綾庭の大ころ/眼 合わちへ 戻らめ/又綾庭のころ〳〵/御顔 合わちへ 戻らめ
一おほつ 居て みれは/さりよこ しちへ みれは/あやみやの めつらしや/又中ちあやみやに/ゑんけらへ ありる/又中ちあやみやに/むかけらへ ありる/又まとよたか つかいしよ/くめのしま おわちやれ/又あかころか つかいしよ/なさかしま おわちやれ/又うきおほちか世やてや/もゝかめむ すへまし/又あやみやの大ころ/あまこ あわちへ もとらめ/又あやみやのころ〳〵/みかう あわちへ もとらめ
うちいではくめの大おそいが節
[edit]11-560(5)
一新垣の大祖父が杜に/吾が成さす/報為 勝りよわれ/又大里の鳴響み杜 降れわちへ/吾が成さす/又大里の音立て杜 降れわちへ/吾が成さす/又新垣の稲嶺 降れわちへ/吾が成さす/又十尋あしやげ/八尋あしやげ こので/吾が成さす 報為/又百甕は 八十甕は 据へて/吾が成さす/又思い君 げらへ君 手摩て/吾が成さす
一あらかきのうきおほちかもりに/あかなさす/ふため まさりよわれ/又大さとのとよみもり おれわちへ/あかなさす/又大さとのねたてもり おれわちへ/又あらかきのいなみね おれわちへ/あかなさす/又十いろあしやけ/八いろあしやけ このて/あかなさす ふため/又百かめは 八十かめは すへて/あかなさす/又おもいきみ けらへきみ てつて/あかなさす
きこへ大ぎみぎやさやはたけおれわちへが節
[edit]11-561(6)
一聞得大君ぎや/押し遣たる精軍/按司添いしゆ 世 添ゑれ/又鳴響む精高子が/又あはれ愛し君南風/島討ち為てす 戻りよれ/又あはれ愛し君南風/国討ち為てす 戻りよわれ/又群り合へ子達 大国為て/島討ち為てす 戻りよれ/又大ころ達 大国為て/国討ち為てす/又ゑそこ数 ころ達よ/島討ち為てす 戻りよれ/又み御船数 ころ達よ/合おてす 戻りよわれ/又おぼつぎやめ 鳴響で
一きこゑ大きみきや/おしやたるせいくさ/あちおそいしゆ よ そゑれ/又とよむせたかこか/又あはれかなしきみはい/しまうちしてす もとりよれ/又あはれかなしきみはゑ/くにうちしてす もとりよわれ/又もりやへこた ちやくにして/しまうちしてす もとりよれ/又大ころた ちやくにして/くにうちしてす/又ゑそこかす ころたよ/しまうちしてす もとりよれ/又みおうねかす ころたよ/あおてす もとりよわれ/又おほつきやめ とよて
うちいではあまみやみるにやにが節
[edit]11-562(7)
一与那覇わり金や/鈴のわり金や/又国の浮雲と/国の貴み人と
一よなはわりかやねや/すつのわりきやねや/又くにのうきくもと/くにのたゝみきよと
うちいではくめのきみはいが節
[edit]11-563(8)
一仲地綾庭に/綾金/押し合いしゆわれ/又中地奇せ庭に
一なかちあやみやに/あやきやね/おしあいしゆわれ/又中ちくせみやに
さはしぎよが節
[edit]11-564(9)
一あまみや君南風や/京の君南風や/百度 手摩やれゝ/又具志川の使い/金福の使い/又板門口 上道/金門口 上道/又真鳴響たは しぢやけて/吾がころは しぢやけて/又綾庭のころ達/立ち居り ゐ居り 待ち居り
一あまみやきみはゑや/けおのきみはいや/もゝと てつられゝ/又くしかわのつかい/かなふくのつかい/又いちや〳〵くち おいみき/かなちやくち おいみき/又まとよたは しちやけて/あかころは しちやけて/又あやみやのころた/たちより ゐより まちより
うちいではあまみやみるやにが節
[edit]11-565(10)
一新垣の杜に/たりるこの みるやに 使い/又大祖父ぎや杜に/又御庭 げらへわちへ/又真庭 げらへわちへ
一あらかきのもりに/たりるこの みるやに つかい/又おきおほちきやもりに/又うみや けらへわちへ/又まみや けらへわちへ
なか節
[edit]11-566(11)
一ゑんこ鳴響た主よ/百按司やらばやちよむ ゑ やれ/鳴響む按司添い/又良かる鳴響た主よ/又聞ゑ按司添いや/又鳴響む按司添いや
一ゑんことよたしゆよ/もゝあんしやらはちよむ ゑ やれ/とよむあちおそい/又よかるとよたしゆよ/又きこゑあちおそいや/又とよむあちおそいや
11-567(12)
一ゑんこ鳴響た主よ/良かる鳴響た主よ/思い君 げらへ君/清ら家てだ/げらへて ちよわれ/又誰が 為が 賜う/誰が 為が よしも/又思い子の 為す/君良しぎや 為す
一ゑんことよたしゆよ/よかるとよたしゆよ/おもいきみ けらへきみ/きよらやてた/けらへて ちよわれ/又たか ためか たほう/たか ためか よしも/又おもいくわの ためす/きみよしきや ためす
いやゝとよたしが節
[edit]11-568(13)
一福地儀間の主よ/良かる儀間の主よ/おもい 乞て げらへ/又宇根ぐすく げらへ/大ぐすく げらへ/又かさす若てだよ/真物若てだよ/又石門は 建てゝ/金門は 建てゝ
一ふくしきまのしゆよ/よかるきまのしゆよ/おもい こて けらへ/又うねくすく けらへ/大くすく けらへ/又かさすわかてたよ/まものわかてたよ/又いしちやうは たてゝ/かなちやうは たてゝ
あんことよたしゆもゝあぢが節
[edit]11-569(14)
一福地儀間の主よ/てだよ 見ちやる 勝り/又良かる儀間の主よ/又かさす若てだよ
一ふくしきまのしゆよ/てたよ みちやる まさり/又よかるきまのしゆよ/又かさすわかてたよ
うちきらしやみぼしやが節
[edit]11-570(15)
一いやゝ鳴響た主よ/愛し鳴響た主よ/親より 好で/又かさす若てだよ/真物若てだよ/又牛の年 来よもの/又生まれ年 来よもの
一いやゝとよたしゆよ/まくしとよたしゆよ/おやより このて/又かさすわかてたよ まものわかてたよ/又うまのとし きよもの/又うまれとし きよもの
11-571(16)
一いやゝ鳴響た主よ/愛し鳴響た主よ/心切らしや 見欲しや/又離れ 居る 吾は/とわけ 居る 吾は/又川端 降り遣り/こゝ端 見れば/又かさす若てだの/真物若てだの/又うち歩みが 見物/群れ舞へが 見物/又前にから 寄て来う/そいにから 寄て来う
一いやゝとよたしゆよ/まくしとよたしゆよ/うらきらしや みほしや/又はなれ おる あんは/とわけ おる あんは/又かわはんた おりやり/こゝはんた みれは/又かさすわかてたの/まものわかてたの/又うちあよみか みもん/ふれまへか みもん/又まへにかち よてこう/そいにかち よてこう
なんな節
[edit]11-572(17)
一君良しが/さしふ照る雲は/如何る清水 有てが/雲子より 出でたる/真玉より 出でたる/又嶽が隈基に/杜が隈基に
一きみよしか/さいふてるくもは/いきやるさうす あてか/くもこより いてたる/またまより いてたる/又たけかくまもとに/もりかくまもとに
うちいではあまみやみるやにが節
[edit]11-573(18)
一君良し君の/君よ 誇りよわちへ/按司添いや/百度世す ちよわれ/又君添い君の/君〔よ〕誇りよわちへ/又聞ゑ按司添いが/又鳴響む按司添いが/又真平良のあさいに/又弟金の真ころ子/又後良かる真ころ子
一きみよしきみの/きみよ ほこりよわちへ/あんしおそいや/もゝと世す ちよわれ/又きみおそいきみの/きみ〔よ〕 ほこりよわちへ/又きこゑあちおそいが/又とよむあちおそいか/又またいらのあさいに/又おとかねのまころく/又のち世かるまころく
あおりやへが節
[edit]11-574(19)
一聞ゑ宣ん君ぎや/真しけす 真げらへしよわちへ/又鳴響む宣の君が/又聞へ按司添いや/又鳴響む按司添いや/又米数 崇べ
一きこゑせんきみきや/ましけす まけらへしよわちへ/又とよむせのきみか/又きこへあんしおそいや/又とよむあちおそいや/又こめかす たかへ
あおりやへが節
[edit]11-575(20)
一おぎやか按司はいや/で 吾 御肝 栄さ/又はたみ戦子/又中城思い/又肝高の思い
一おきやかあちはいや/て わん おきも はやさ/又はたみいくさこ/又中くすくおもい/又きもたかのおもい
うちいではきたたん世のぬしが節
[edit]11-576(21)
一煽りやへ君の/げらへ 見物/又君添い君の/又だに 真御み事る/又実に 真御み事る/又赤口に 依い憑ちへ/又ぜるまゝに 依い憑ちへ/又精高子がみ御前/又按司添いがみ御前/又百甕は 据ゑて/又八十甕は 据へて/又君使い たりる/又主使い たりる
一あおりやへきみの/けらへ みもん/又きみおそいきみの/又たに ま御み事る/又けに ま御み事る/又あかくちやに よいつちへ/又せるまゝに よいつちへ/又せたかこかみ御まへ/又あちおそいかみ御まへ/又もゝかめは すゑて/又やそかめは すへて/又きみつかい たりる/又ぬしつかい たりる
11-577(22)
一久米のこいしのが/百末 鳴響む/聞へる杜/又百浦こいしのが/又聞へ按司添いが/又鳴響む按司添いが
一くめのこいしのが/もゝすへ とよむ/きこへるもり/又もゝうらこいしのが/又きこへあんしおそいか/又とよむあちおそいか
あおりやへが節
[edit]11-578(23)
一久米のこいしのが/ゑ け みのかは/打ちちへ 鳴響み/又百浦こいしのが/又今日の良かる日に/又今日のきやかる日に
一くめのこいしのか/ゑ け みのかは/うちちへ とよみ/又もゝうらこいしのか/又けおのよかるひに/又けおのきやかるひに
あおりやへが節
[edit]11-579(24)
一久米のこいしのが/世寄せ飽かず御殿/又百浦こいしのが/又聞へ按司添いが/又鳴響む按司添いが
一くめのこいしのか/世ゝせあかすおとん/又もゝうらこいしのか/又きこへあちおそいが/又とよむあちおそいか
あおりやへが節
[edit]11-580(25)
一久米のこいしのが/百浦こいしのが/精高さ/鳴響みよわる貴み/又聞ゑ按司添いが/鳴響む按司添いが/又具志川の杜に/金福の杜に
一くめのこいしのか/もゝうらこいしのか/せたかさ/とよみよわるたゝみ/又きこゑあんしおそいか/又とよむあちおそいか/又くしかわのもりに/かなふくのもりに
うらおそい節
[edit]11-581(26)
一精高子は/だに 真御み事る/こいしのす/もちよろゑて みおやせ/又按司添いや/だに 真御み事る/こいしのす/又赤口が 照る地炉/又ぜるまゝが 照る地炉/又さしふは おもろは 宣らす/又むつきは 宣るむは 宣らす
一せたかこは/たに ま御み事る/こいしのす/もちよろゑて みおやせ/又あちおそいや/たに ま御み事る/こいしのす/又あかくちやか てるちろ/又せるまゝか てるちろ/又さしふは おもろは せらす/又むつきは せるむは しらす
あおりやへが節
[edit]11-582(27)
一具志川の真玉内は/げらへて/良く げらへて/勝りゆわる精高子/又金福の真玉内は/げらへて/又唐の船 せに 金/持ち寄せるぐすく/良く げらへて/又大和船 ぜに 金/持ち寄せるぐすく
一くしかわのまたまうちは/けらへて/よく けらへて/まさりゆわるせたかこ/又かふくのまたまうちは/けらへて/又たうのふね せに こかね/もちよせるくすく/よく けらへて/又やまとふね せに こかね/もちよせるくすく
きこへせだかこが世がけにせさが節
[edit]11-583(28)
一鬼の君こゑや/見揚げ欲しやす 有りよわれ/金内の/世添うせぢ みおやせ/又聞へ按司添いや/見揚げ欲しやす 有りよれ/又鳴響む按司添いや/又綾もどろ 召しよわちへ/選り出ぢゑ金 差しよわちへ/又雪の早御駄に/金鞍 掛けて/又雪のそめよきに/銀鞍 掛けて
一おにのきみこゑや/みやけほしやす ありよわれ/こかねうちの/世そうせち みおやせ/又きこへあんしおそいや/みあけほしやす ありよれ/又とよむあちおそいや/又あやもとろ めしよわちへ/ゑりいちゑこかね さしよわちへ/又よきのはやみちやに/こかねくら かけて/又ゆきのそよめきに/なみちやくら かけて
おにのきみはいやなさいきよにしなてが節
[edit]11-584(29)
一鬼の君南風や/やちよこ いよやに/添て ちよわれ/又添い君南風や/又鬼す 出でゝ 人 威せ/又人の 出ぢへて 鬼 威ちへ
一おにのきみはいや/やちよこ いよやに/おそて ちよわれ/又おそいきみはゑや/又おにす いてゝ 人 おどせ/又人の いちへて おとちへ
やちよこいよやにが節
[edit]11-585(30)
一鬼の君南風や/成さい人に/撓て 鳴響ま/又添い君南風や/又弟金の真ころ/又後良かる真ころ
一おにのきみはゑや/なさいきよに/しなて とよま/又おそいきみはゑや/又おとかねのまころ/またのちよかるまころ
おにのきみはいややほうひちへが節
[edit]11-586(31)
一鬼の君南風や/百浦の 鳴響み/又添い君南風や/又具志川に おわる/又金福に おわる/又成さの浮雲が/又沖縄に 鳴響む/又大国に 鳴響む/又金の御柄杓/又真玉の御柄杓/又ぬき上げれ 御柄杓/又捧げれ 御柄杓
一おにのきみはゑや/もゝうらの とよみ/又おそいきみはゑや/又くしかわに おわる/又かなふくに おわる/又なさのうきよくもか/又おきなわに とよむ/又大くにに とよむ/又こかねのみしやく/又またまのみしやく/又ぬきあけれ みしやく/又ささけれ みしやく
たんなが節
[edit]11-587(32)
一具志川の杜に/稲米 寄り満ちへれ/又金福の杜に/又精持ち親田原/又若い人思いが 田原/又按司添いが 田原
一くしかわのもりに/いなよね ゆりみちへれ/又かなふくのもりに/又せもちおやたはる/又わかいきよもいか たはる/又あんしおそいか たはる
かねぐすくおもろぐわの節
[edit]11-588(33)
一兼城杜に/つくせ 寄せれ/又聞ゑ按司添いや/又成さがげらへ庭に
一かねくすくもりに/つくせ よせれ/又きこゑあんしおそいや/又なさかけらへみやに
おもろねやがりが節
[edit]11-589(34)
一兼城杜に/百浦まちらす/立ちよわちへ ふさよわれ/又根立て金杜に/又成さがげらへ庭に
一かねくすくもりに/もゝうらまちらす/たちよわちへ ふさよわれ/又ねたてかなもりに/又なさかけらへみやに
たんなか節
[edit]11-590(35)
一新垣に おわる/真物世の主の真物/又初の子は 生しよわちへ/初の子は 生しよわちへ/又十百人の戦/八百人の戦
一あらかきに おわる/ま物よのぬしのまもん/又よさのくわは なしよわちへ/はつのくわの なしよわちへ/又ともゝそのいくさ/やもゝそのいくさ
あおりやへが節
[edit]11-591(36)
一久米のこいしのが/百浦こいしのが/精声 聞き欲しや/国鳴響み/又綾嶺に 在つる/大祖父が うへけ/又綾嶺に 在つる/大祖母が うへけ/又宇根に 居て 打てば/大里に 鳴響で/又大里に 打てば/大国に 鳴響で
一くめのこいしのか/もゝうらこいしのか/せこい ききほしや/くにとよみ/又あやみねに あつる/うきおほしか うへけ/又あやみねに あつる/うきはわか うへけ/又うねに おて うては/大さとに とよて/又大さとに うては/大くに とよて
あおりやへが節
[edit]11-592(37)
一堂の子が 使い/聞ゑ按司添いや/百度世す ちよわれ/又堂の大親が 使い/又堂川に 淀しよわ/又湧く清水 淀しよわ
一たうのしか つかい/きこゑあんしおそいや/もゝと世す ちよわれ/又だうの大やか つかい/又たうかわに よとしよわ/又わくさうす よとしよわ
やちよこいよやにが節
[edit]11-593(38)
一久米の世寄せ君/生け〳〵しく 栄せ/又思い世寄せ君/又御庭 立つ 厳子/又真庭 立つ 厳子/又今日の良かる日に/又今日のきやかる日に/又按司添いがみ御前/又貴み人がみ御前/又百甕は 据ゑて/又八十甕は 据ゑて/又按司添いよ 栄えさに/又貴み人よ 栄さに
一くめの世よせきみ/いけ〳〵しく はやせ/又おもいよゝせきみ/又御みや たつ いつこ/又まみや たつ いつこ/又けおの世かるひに/又けおのきやかるひに/又あんしおそいかみ御まへ/又たゝみきよかみ御まへ/又もゝかめは すゑて/又やそかめは すゑて/又あんしおそいよ はやさに/又たゝきよよ はやさに
きこへせのきみぎやいけ〳〵とそろわばが節
[edit]11-594(39)
一聞ゑ宣の君や/若君 げらへて 使い/又鳴響む宣の君ぎや/又赤つ綾鉄/又赤つ奇せ鉄/又誰が 差ちへ 似せる/又何れが 差ちへ 似せる/又こしらへす 似せたれ/又神にしやす 似せたれ
一きこゑせのきみや/わかきみ けらへて つかい/又とよむせのきみきや/又あかつあやはかね/又あかつくせはかね/又たるか さちへ にせる/又つれか さちへ にせる/又こしらへす にせたれ/又かみにしやす にせたれ
うちいではおわもりはけおのきみの節
[edit]11-595(40)
一君良し君の/君添い君の/混ぢらた 見居り/又百人の やちよこ/又七十人の やちよこ/又百人が中に/七十人が中に/又雲子も 寄り居り/真玉も 寄り居り
一きみよしきみの/きみおそいきみの/まちらた めより/又もゝその やちよこ/なゝその やちよこ/又もゝそかなかに/なゝそかなかに/又くもこも よりより/またまも よりより
やふつよためかちへが節
[edit]11-596(41)
一子丑が時 神が時/知らたる いちよかゝ ころ達/綾の筵 打ちよわちへ/神は 待たたな/又寅卯の時 神が時/又今日の時良さは 神[が]時/又なまの時良さは 神が時
一ねうしか時 かみか時/しらたる いちよかゝ ころた/あやのみやし うちよわちへ/かみは またたな/又とらうの時 かみか時/又けおの時よさは かみ[か]時/又なまの時よさは かみか時
あおりやへが節
[edit]11-597(42)
一福地儀間の主/人の浦の貢/掻き寄せて/按司添いに みおやせ/又かさす若てだに/人の浦の貢/又真物若てだに
一ふくしきまのしゆ/人のうらのかない/かきよせて/あちおそいに みおやせ/又かさすわかてたに/人のうらのかない/又まもんわかてたに
あおりやへが節
[edit]11-598(43)
一聞ゑ差笠は/妹君やれども/降れる数/君 栄す 御声/又鳴響む差笠は/又具志川の杜に/又金福の杜に
一きこゑさすかさは/おとゝきみやれとも/おれるかす/きみ はやす みこい/又とよむさすかさは/又くしかわのもりに/又かなふくのもりに
あらかきのもりにうちあがるたゝみが節
[edit]11-599(44)
一新垣の杜に/打ち揚がる拍子/又吾が成さが杜に/又今日の良かる日に/[又]今日のきやかる日に/又按司添いがみ御前/又精高子がみ御前
一あらかきのもりに/うちあかるひやし/又あかなさかもりに/又けおの世かるひに/[又]けおのきやかるひに/又あんしおそいかみ御まへ/又せたかこかみ御まへ
うらおそいおもろの節
[edit]11-600(45)
一兼城大親/おもろ為る大親/世添う拍子/打ちちへ みおやせ/又国の根の大親/又今日の良かる日に/又今日のきやかる日に/又按司添いがみ御前/又精高子がみ御前
一かねくすく大や/おもろする大や/世そうひやし/うちちへ みおやせ/又くにのねの大や/又けおの世かるひに/又けおのきやかるひに/又あんしおそいかみ御まへ/又せたかこかみ御まへ
うらおそいおもろの節
[edit]11-601(46)
一兼城根立て杜ぐすく/世勝る島討ち拍子 みおやせ/又国の根の根立て杜ぐすく/又今日の良かる日に/又今日のきや〳〵る日に/又按司添いがみ御前/又精高子がみ御前
一かねくすくねたてもりくすく/世まさるしまうちひやし みおやせ/又くにのねのねたてもりくすく/又けおの世かるひに/又けおのきや〳〵るひに/又あんしおそいかみ御まへ/又せたかこかみ御まへ
うちいではおとゝきみまさりの節
[edit]11-602(47)
一思いなよくらが/前清水 有りてば/ゑけ 勝り 聞く 羨み/又中地真五郎子が
一おもいなよくらか/まえさうす ありては/ゑけ まさり きく うらやみ/又中ちまころくか
うちいではなごのこてろが節
[edit]11-603(48)
一仲地真五郎子が/鳴響み居る 使い/真五郎子が げらへ/又疾く寄せが 下に/鳴響み居る 使い/又腰当て走りや 造て/鳴響み居る 使い
一なかちまころくか/とよみよる つかい/まころくか けらへ/又とくよせか したに/とよみよる つかい/又こしあてはりや つくて/とよみよる つかい
うちいではおもひなよくらが節
[edit]11-604(49)
一妹君勝り/成さが思い君/ゑ忘れたな/成さい人が/御み顔の 見欲しや/又玉走り/つき開けわちへ ちやうわちへ/又玉遣り戸 押し開けわちへ ちよわちへ/又玉簾/巻き上げわちへ/又糸簾/巻き上げわちへ ちやうわちへ
一おとゝきみまさり/なさかおもいきみ/ゑわすれたな/なさいきよか/御みかうの みほしや/又たまはしり つきあけわちへ ちやうわちへ/又たまやりちよ/おしやけわちへ ちよわちへ/又たますたり まきあけわちへ/又いとすたり まきあけわちへ ちやうわちへ
きこへぐしかはしけちなはが節
[edit]11-605(50)
一久米の差笠わ/成さが思い君/世 揃う 具志川 げらへ/又鳴響む差笠は
一くめのさすかさわ/なさかおもいきみ/世 そろう くしかわ けらへ/又とよむさすかさは
こいしのがさしふとのばらが節
[edit]11-606(51)
一かさすちやらは/だりじゆ 鳴響め/見れば 水 廻て/又真物ちやらは/又名護の浜に/又名護のひちやに/又大和ぎやめ/だりじよ 鳴響め
一かさすちやらは/たりしゆ とよめ/みれは みつ まわて/又まもんちやらは/又なこのはまに/又なこのひちやに/やまときやめ/たりしよ とよめ
御みしやくぬきあげが節
[edit]11-607(52)
一かさす若てだの/で 吾 御肝に 撓は/又真物若てだの
一かさすわかてたの/て わん おきもに しなは/又まもんわかてたの
でわんおぎもしなわが節
[edit]11-608(53)
一かさす若てだに/御み神酒 ぬき上げ/又真物若てだに/又奥武の浜崎に/又奥武のいふ崎に/又弟松鳴響たる/又兄のおや思い
一かさすわかてたに/御みしやく ぬきあけ/又まもんわかてたに/又あふのはまさきに/又あふのいふさきに/又おとゝまちとよたる/又せざのおやおもい
あおりやへが節
[edit]11-609(54)
一聞ゑ国添いが/国手持ち げらへて/果報せぢ/前 寄せて ちやうわれ/又鳴響む国添いが/又具志川の杜に/又金福の杜に
一きこゑくにおそいか/くにてもち けらへて/かほうせち/まへ よせて ちやうわれ/又とよむくにおそいか/又くしかわのもりに/又かなふくのもりに
せのきみがつゝとりかわちへが節
[edit]11-610(55)
一国添い国守りが/遊びよわれば/精高子が 使い/又嘉手川の中杜に/遊びよわれば/又掟 遣りよわ/又使い 遣りよわ/又おわるてやば/歩むてやば
一くにおそいくにもりか/あすひよわれは/せたかこか つかい/又かてかわの中もりに/あそひよわれは/又おきて やりよわ/つかい やりよわ/又おわるてやは/あよむてやは
あおりやへが節
[edit]11-611(56)
一久米のこいしのが/御肝高杜/国勝り しよわちへ/又百浦こいしのが/又久米の中城/又鳴響む中城
一くめのこいしのか/おきもたかもりや/くにまさり しよわちへ/又ももうらこいしのか/又くめの中くすく/又とよむ中くすく
あおりやへが節
[edit]11-612(57)
一久米のこいしのが/世の一頂の/世の手持ち みおやせ/又百浦こいしのが/又おとしよう川 降れわちへ/又湧く清水 降れわちへ
一くめのこいしのか/世のいきつき/世のてもち みおやせ/又もゝうらこいしのか/又おとしようかわ おれわちへ/又わくさうす おれわちへ
あおりやへが節
[edit]11-613(58)
一久米のこいしのが/真糸縅/けさつり 鳴響で/又百浦こいしのが/又久米の按司添いや/又鳴響む按司添いや
一くめのこいしのか/まいとおとし/けさつり とよて/又もゝうらこいしのか/又くめのあんしおそいや/又とよむあちおそいや
あおりやへが節
[edit]11-614(59)
一世玉子ぎや おもろ/鬼より 勝り/せぢ 添わて/百ぢやら 負かせ/又世玉子ぎや 宣るむ/又久米の按司添いや/又鳴響む按司添いや
一よたましきや おもろ/おにより まさり/せち そわて/もゝちやら まかせ/又よたましきや せるむ/又くめのあんしおそいや/又とよむあちおそいや
あおりやへが節
[edit]11-615(60)
一世玉子きや おもろ/今ど 世わ 勝る/世玉の留まるぐすく/又世玉仁屋が 宣るむ/又聞ゑ按司添いや/又鳴響む按司添いや
一よたましきや おもろ/いみやと 世わ まさる/世たまのととまるくすく/又よたまにやか せるむ/又きこゑあんしおそいや/又とよむあんしおそいや
あおりやへが節
[edit]11-616(61)
一世玉子ぎや おもろ/百按司より 勝りよわ/末 長く/玉世 揃いわちへ/又世玉仁屋が 宣るむ/又聞へ按司添いや/又鳴響む按司添いや
一よたましきや おもろ/もゝあちより まさり世わ/すゑ ながく/たまよ そろいわちへ/又よたまにやか せるむ/又きこへあんしおそいや/又とよむあちおそいや
うちいではくめのやまぐすくの節
[edit]11-617(62)
一聞ゑ按司添いや/てるかはす 守れ/守りよわば/百末 ちよわれ/又鳴響む按司添いや/てるしのす 守れ/又聞得大君す/按司添いや 守れ/又鳴響む大君しゆ/貴み人わ 守れ/又あまみや君南風や/按司添いが おより/又しねりや君南風や/貴み人が おより/又おぼつせぢ 降ろちへ/按司添いす 守れ/又神楽せち 降ろちへ/貴み人す 守れ/又神楽 在つる 金精/按司添いに みおやせ〔ば/守りよわれば/百末 ちよわれ〕
一きこゑあんしおそいや/てるかはす まふれ/まふりよわは/もゝすゑ ちよわれ/又とよむあんしおそいや/てるしのす まふれ/又きこゑ大きみす/あんしおそいや まふれ/又とよむ大きみしゆ/たゝみきよわ まふれ/又あまみやきみはへや/あんしおそか おより/又しねりやきみはゑや/たゝみきよか おより/又おほつせち おろちへ/あちおそいす まふれ/又かくらせち おろちへ/たゝみきよす まふれ/又かくら あつる こかねすへ/あちおそいに みおやせ〔は/まふりよわれは/もゝすゑ ちよわれ〕
たんな節
[edit]11-618(63)
一嘉手川の殿々/北の金丸は/後が末 御世わ/おぎやか思いす ちよわれ/又今日 吹き居る 真北風や/北の金丸は/又なま 吹き居る 北風や/北の金丸は
一かてかわのとの〳〵/きたのかねまるは/のちかすゑ お世わ/おきやかもいす ちよわれ/又けお ふきよる まにしや/にしのかねまるは/又なま ふきよる にしや/にしのかねまるは
あおりやへが節
[edit]11-619(64)
一嘉手川の殿々/鈴富す 按司 栄せ/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば
一かてかわのとの〳〵/すつとみす あち はやせ/又あさとれか しよれは/又ようとれか しよれは
あおりやへが節
[edit]11-620(65)
一聞ゑ宣の君ぎや/さいの端の/舞やいど 見物/又鳴響む宣の君ぎや/又大和ゑむ 船頭/又精高子が前に/[又]げらへ子が前に
一きこゑせのきみきや/さいのはなの/まやいと みもん/又とよむせのきみきや/又やまとゑむ せと/又せたかこかまへに/[又]けらへこがまへに
くめのよゝせきみいけ〳〵しくが節
[edit]11-621(66)
一聞ゑ宣の君や/綾頂 鳴響ま/又鳴響む宣の君きや/又首里杜ぐすく/又真玉杜ぐすく
一きこゑせのきみや/あやつちへ とよま/又とよむせのきみきや/又しよりもりくすく/又またまもりくすく
きこへせのきみぎやわかきみげらへてつかい節
[edit]11-622(67)
一聞ゑ宣の君ぎや/生き〳〵と 揃わば 降れら/又鳴響む宣の君ぎや/又首里杜ぐすく/又真玉杜ぐすく
一きこゑせのきみきや/いき〳〵と そろわば おれら/又とよむせのきみきや/又しよりもりくすく/又またまもりくすく
あおりやへが節
[edit]11-623(68)
一大国 鳴響む 兼城/宣の君 手摩て 歓やかせ/又沖縄 鳴響む 兼城/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば/又板清らは 押し浮けて
一大くに とよむ かねくすく/せのきみ てつて あまやかせ/又おきなわ とよむ かねくすく/又あさとれか しよれは/又ようとれか しよれは/又いたきよらは おしおけて
あおりやへが節
[edit]11-624(69)
一聞へ宣の君ぎや/降れて 群れ舞へば/末 長く/世 揃ゑて ちよわれ/又鳴響む宣の君ぎや/降れて 群れ舞へば/又吾が成さい人按司添い/根石の 天に 上付くぎやめ/又てだ成さい人按司添い/真石の 天に 上付くぎやめ
一きこへせのきみきや/おれて ふれまへは/すへ なかく/よ そろゑて ちよわれ/又とよむせのきみきや/おれて ふれまへは/又あかなさいひとあちおそい/ねいしの てにに うへつくきやめ/又てたなさいきよあちおそい/まいしの てにに うへつくきやめ
おもとたけつかさこが節
[edit]11-625(70)
一赤ら艫櫂や/見物艫櫂や/世直しが 降れわちへ/又久米の島 おわちへ/又金の島 おわちへ/又首里杜 ちよわる/又真玉杜 ちよわる/又按司添いが おより/又貴み人が おより/又百末 ちよわれ/又八十末に ちよわれ/又中地綾庭に/見れば 肝 栄て/又仲地奇せ庭に/見れば 肝 栄て/又おぼつ 居て 見れば/綾庭の 珍らしや/又神楽 居て 見れば
一あからともかいや/みもんともかいや/世なおしが おれわちへ/又くめのしま おわちへ/又かねのしま おわちへ/又しよりもり ちよわる/又またまもり ちよわる/又あんしおそいか おより/又たゝみきよか おより/又もゝすへ ちよわれ/又やそすっへに ちよわれ/又中ちあやみやに/みれは きも はいて/又おほつ おて みれは/あやみやの めつらしや/又かくら おて みれは/あやみやの めつらしや/又かくら おて みれは
うりあがるひやしの節
[edit]11-626(71)
一新垣の杜に/打ち揚がる貴み/又大祖父が杜に/又御庭 げらへわちへ/又真庭 げらへわちへ/又百甕は 据ゑて/又八十甕は 据ゑて
一あらかきのもりに/うちあかるたゝみ/又うきおほちかもりに/又おみや けらへわちへ/又まみや けらへわちへ/又もゝかめは すゑて/又やそかめは すゑて
しのくりやわよなれがみの節
[edit]11-627(72)
一みるや仁屋/世馴れ神やれば/けわいつ/又みるや仁屋/世付き神/又みるや仁屋/意地気神/又みるや仁屋/大国神/又意地 切り遣り/金若子 差しよわちへ/又意地 切り遣り/金みさき さしよわちへ/又金若子 紐鈴は 下げて/又金みさき 鳴り鈴は 下げて
一みるやにや/よなれかみやれは/けわいつ/又みるやにや/よつきかみ/又みるやにや/いちきかみ/又みるやにや/ちやくにかみ/又いちへ きりやり/かねわかこ さしよわちへ/又いちへ きりやり/かねみさき さしよわちへ/又かねわかこ ひもすつは さけて/又かねみさき なりすつは さけて
あおりやへが節
[edit]11-628(73)
一大君が 御差ししよ/おもかはのせぢ 降ろちへ/按司添いよ/守らてゝ 降れわちへ/又精高子が 御差ししよ/おもかはのせぢ 降ろちへ/又てるかはが 御差ししよ/てらちんのせぢ 降ろちへ/又てるしのが 御差ししよ/てらちんのせぢ 降ろちへ/又あまみや君南風や/てらちんのせぢ 降ろちへ/又京の君南風や/てらちんのせぢ 降ろちへ/又おもろかはののろ〳〵/てらちんのせぢ 降ろちへ/又神楽内に 有り居る/金内に 有り居る/神が命/按司添いに みおやせ/又おぼつ内に 有り居る/銀内に 有り居る/神が命/按司添いに
一大きみか うさししよ/おもかはのせち おろちへ/あんしおそいよ/まもらてゝ おれわちへ/又せたかこか うさししよ/おもかはのせち おろちへ/又てるかはか うさししよ/又てらちんのせち おろちへ/又てるしのか うさししよ/てらちんのせち おろちへ/又あまみやきみはへや/てらちんのせち おろちへ/又けおのきみはゑや/てらちんのせち おろちへ/又おもかはののろ〳〵/てらちんのせち おろちへ/又かくらうちに ありよる/こかねうちに ありよる/かみかいのち/あんしおそいに みおやせ/又おほつうちに ありよる/なむちやうちに ありよる/かみかいのち/あちおそいに
あおりやへが節
[edit]11-629(74)
一差笠 国 直ちへ/金福に 降れわちへ/成さい人に/見揚がの杜 みおやせ/又君の按司の 国 直ちへ/金福に 降れわちへ/又具志川の杜に/国 直ちへ 降れわちへ/又金福の杜〔に〕/国
一さすかさ くに なおちへ/かなふくに おれわちへ/なさいきよに/みあかのもり みおやせ/又きみのあちの くに なおちへ/かなふくに おれわちへ/又くしかわのもりに/くに なおちへ おれわちへ/又かなふくのもり〔に〕/くに
あおりやへが節
[edit]11-630(75)
一聞へ煽りやへが/嶽 御頂/島の頂 ちよわれ/又鳴響む煽りやへが/嶽 御頂/島の/又久米の中城嶽/又鳴響む中城嶽/又けさは 神ぎや嶽/嶽 御頂/島の/又けさは のろが嶽/又神 向かて 乞うて/又のろ 向かて 乞うて
一きこへあおりやへか/たけ みつき/しまのつち ちよわれ/又とよむあおりやへか/たけ みつき/しまの/又くめの中くすくたけ/又とよむ中くすくたけ/又けさは かみきやたけ/たけ みつき/しまの/又けさは のろかたけ/又かみ むかて こうて/又のろ むかて こうて
うらおそい節
[edit]11-631(76)
一宣の君が 降れ立ち/君良しが 降れ立ち/百度拍子/打ち揚がる成さい人/又吾が成さい人 嘆くな/宣の君す 知りよわめ/又てだ成さい人 嘆くな/又按司添いが 精 遣りよわば/宣の君や 気 遣りよわば
一せのきみか おれたち/きみよしか おれたち/もゝとひやし/うちあかるなさいきよ/又あかなさいきよ なけくな/せのきみす しりよわめ/又てたなさいきよ なけくな/又あんしおそいか せい やりよわは/せのきみや け やりよわは
のちあがりが節
[edit]11-632(77)
一宣ん君が 君良しが/世果報成さい人/又吾が成さい人 てだ成さい人/又あまみ玉綱 麗し/又糸 貫き遣り 縄 貫き遣り/又お手づから み手づから/又取りよわ遣り 打ちよわ遣り
一せんきみか みきよしか/よかほうなさいきよ/又あかなさいきよ てたなさいきよ/又あまみたまちな おるわし/又いと ぬきやり なわ ぬきやり/又おてつから みてつから/又とりよわやり うちよわやり
あおりやへが節
[edit]11-633(78)
一島尻に 在つる/磁石の真金/玉世 揃ゑて みおやせ/又聞ゑ按司添いぎや/又鳴響む按司添いが
一しましりに あつる/つしやこのまかね/たまよ そろゑて みおやせ/又きこゑあんしおそいきや/又とよむあちおそいか
うちいではくめの大おそいが節
[edit]11-634(79)
一あまみやそよめきや/御愛し若い人/百末 ちよわれ/又しねりやそよめきや/みかなし若い人/又中城 ちよわる/御愛し若い人/又島添い ちよわる/御愛し若い人/又按司添いが思い子/御愛し若い人
一あまみやそよめきや/みかなしわかいきよ/もゝすゑ ちよわれ/又しねりやそよめきや/みかなしわかいきよ/又中くすく ちよわる/みかなしわかいきよ/又しまおそい ちよわる/みかなしわかいきよ/又あんしおそいかおもいくわ/みかなしわかいきよ
たまぐすくもりぐすくの節
[edit]11-635(80)
一こいしのが さしふ殿原よ/島でん 国でん みおやせ/又こいしのが むつき/又白木 植ゑて/清ら木 植ゑてからは/又島が命/国が命 みおやせ/又石が命/金が命/〔又〕珈玻㼈命/手持ち命 みおやせ
一こいしのか さしふとのはらよ/しまてん くにてん みおやせ/又こいしのか むつき/又しらけ おゑて/きよらけ おゑてからは/又しまかいのち/くにかいのち みおやせ/又いしかいのち/かねかいのち/〔又〕かはらいのち/てもちいのち みおやせ
あおりやへが節
[edit]11-636(81)
一しけ掛けののろの/儀間杜に 降れて/金精/按司添いに みおやせ/又国の根ののろの
一しけかけののろの/きまもりに おれて/こかねすゑ/あんしおそいに みおやせ/又くにのねののろの
みるやにが節
[edit]11-637(82)
一しのくりやは/世馴れ神やれば/やれ このゑ/又しのくりやが/大和旅 上て/やれ このゑ/又神にしやが/山城旅 上て/やれ このゑ/又大和旅/何 買いが 上て/又山城旅/何 買いが 上て/又青しや京玉/買いが/又ふくしや京つしや/買いが
一しのくりやは/世なれかみやれは/やれ このゑ/又しのくりやか/やまとたひ のほて/やれ このゑ/又かみにしやか/やしろたひ のほて/やれ このゑ/又やまとたひ/なに かいか のほて/又やしろたひ/なに かいか のほて/あおしやてうたま/かいか/又ふくしやてうつしや/かいか
もゝとふみあかりが節
[edit]11-638(83)
一おぎやか真強く思い/おこのみの 高さ/具志川 湧く清水 げらへて/又はたみ真強く思い/又聞へ按司添いが/又鳴響む按司添いが
一おきやかまちよくもい/おこのみの たかさ/くしかわ わくさうす けらへて/又はたみまちよくもい/又きこへあんしおそいか/又とよむあちおそいか
なか節
[edit]11-639(84)
一ゑんこ鳴響た主よ/按司添いてだの/このみよわり貢 積む/せん寄せ げらへ/又良かる鳴響た主よ/又伊敷索掟/又御庭 御頂/御庭 庭先に
一ゑんことよたしゆよ/あんしおそいてたの/このみよわるかまへ つむ/せんよせ けらへ/又世かるとよたしゆよ/又いしけなはおきて/又おみや みやつちへ/おみや みやさきに
なか節
[edit]11-640(85)
一ゑんこ鳴響た主よ/良かる鳴響た主よ/按司添いてだと 若てだ/又聞へ按司添いや/鳴響む按司添いや/又異島の按司や/他国の按司や/又見ちへど 羨み居る/聞ちへど 羨み居る
一ゑんことよたしゆよ/よかるとよたしゆよ/あんしおそいてたと わかてた/又きこへあちおそいや/とよむあちおそいや/ことしまのあんしや/よこくにのあんしや/又みちへと うらやみよる/きちへと うらやみよる
もゝうらのとよみが節
[edit]11-641(86)
一鬼の君南風や/弥帆 引ちへ 待ち居ら/又添い君南風や/又精高子が前に/又げらへ子が前に/又何時かてゝ 言ちへ 弥帆 引ちへ/又早くてゝ 言ちへ 弥帆/又掟 遣りよわば
一おにのきみはえや/やほう ひちへ まちよら/又おそいきみはゑや/又せたかこかまへに/又けらへこかまへに/又いつかてゝ いちへ やほう ひちへ/又はやくてゝ いちへ やほう/又おきて やりよわは
あおりやへが節
[edit]11-642(87)
一おぎやか按司はへや/で 吾 御肝 栄せ/又はたみ戦子よ/又肝高思い/又島添いの思い/又きやか はた 見遣れば
一おきやかあんしはへや/て わん おきも はやせ/又はたみいくさこうよ/又きむたかおもい/又しまおそいのおもい/又きやか はた みやれは
あおりやへが節
[edit]11-643(88)
一下の掟 音 取て/月の数 夏の様に/歓へる 清らや/又ものいにしや 音 取て/又久米の中城 月の数/又鳴響む中城/又冬 夏む 知らず/又夏 冬む 知らず/又冬わ 御酒 盛る/又夏は しけち 盛る/又按司からる かに ある/又てだからる かに ある
一しものおきて ね とて/月のかす なつのやに/あまへる きよらや/又ものいにしや ね とて/又くめの中くすく つきのかす/又とよむ中くすく/又ふよ なつむ しらす/又なつ ふよむ しらす/又ふよわ 御さけ もる/又なつは しけち もる/又あんしからる かに ある/又てたからる かに ある
もゝとふみあがりが節
[edit]11-644(89)
一下の掟 音 取らちへ/具志川の真玉/按司からと 鳴響む/又ものいにしや 音 取らちへ/又聞ゑ按司添いが/又鳴響む按司添いが
一しものおきて ね とらちへ/くしかわのまたま/あんしからと とよむ/又ものいにしや ね とらちへ/又きこゑあんしおそいか/又とよむあちおそいか
うらおそいおもろの節
[edit]11-645(90)
一宮古こいつが/真せん誇り しよわちへ/御酒や 酔てど 立ち居る/又八重山こいつ/せの
一みやここいつか/ませんほこり しよわちへ/御さけや ゑよてと たちよる/又やゑまこいつ/せの
あおりやへが節
[edit]11-646(91)
一聞ゑ煽りやへが/見揚がの拍子/成さい人思いに みおやせ/又鳴響む煽りやへが/又具志川の杜に/又金福の杜に
一きこゑあおりやへか/みあかのひやし/なさいきよもいに みおやせ/又とよむあおりやへか/又くしかわのもりに/又かなふくのもりに
うらおそい節
[edit]11-647(92)
一こいしのが 知念杜 降れわちへ/君使い/又具志川に 君誇り げらへて/又金福に 君誇り げらへて/又按司添いが 君誇り げらへて
一こいしのか ねねんもり おれわちへ/きみつかい/又くしかわに きみほこり けらへて/又かなふくに きみほこり けらへて/又あちおそいか きみほこり けらへて
かねくすくのろの節
[edit]11-648(93)
一こいしのが国 生け〳〵し/島連れ 国連れ 見物/又まちらすが国 生け〳〵し/又与那原の国 生け〳〵し/又轟きの国 生け〳〵し/又五嶽の国 生け〳〵し/又七嶽の国 生け〳〵し/又珍らしや ゐ国 生け〳〵し/又さうさしや ゐ国 生け〳〵し
一こいしのかくに いけ〳〵し/しまつれ くにつれ み物/又みちらすがくに いけ〳〵し/又よなはるのくに いけ〳〵し/又とゞろきのくに いけ〳〵し/又五たけのくに いけ〳〵し/又七たけのくに いけ〳〵し/又めづらしや ゐくに いけ〳〵し/又さうさしや ゐくに いけ〳〵し
うちいではかねぐすくのろの節
[edit]11-649(94)
一こいしのが国 生け〳〵し/杜ぐすく 降れ欲しや/又まちらすの国/又与那原の国/又轟きの国 生け〳〵し/又五嶽の国 生け〳〵し/又七嶽の国 生け〳〵し/又珍らしや ゐ国 生け〳〵し/又さうさし遣り ゐ国 生け〳〵し
一こいしのかくに いけ〳〵し/もりくすく おれほしや/又まちらすのくに/又よなはるのくに/又とゞろきのくに いけ〳〵し/又五たけのくに いけ〳〵し/又七たけのくに いけ〳〵し/又めづらしや ゐくに いけ〳〵し/又さうさしやり ゐくに いけ〳〵し
うちいではとまりみぢへりきよが節
[edit]11-650(95)
一こまかの澪に 降れ 見物/又久高の澪に/又〓〓網 結び降ろちへ/又亀網 結び降ろちへ/又〓〓 百 込めて/又亀 百 込めて/又〓〓 百 取り遣り/又亀 百 取り遣り/又沖膾 せゝと/又へた膾 せゝと/又手楫 選で 乗せて/又沖走い立ての 競いて/又干瀬走い立ての 競いて
一こまかのみおに おれ みもん/又くたかのみおに/又さんあみ むすひおろちへ/又かめあみ むすひおろちへ/又さん ひやく こめて/又かめ ひやく こめて/又さん ひやく とりやり/又かめ ひやく とりやり/又おきなます せゝと/又へたなます せゝと/又てかち ゑらて のせて/又おきはいたての いそいて/又ひせはいたての いそいて
11-651(96)
一久米のこいしのが やれ け/又百浦こいしのが/又朝凪れが し居れば/又夕凪れが し居れば/又板清らは 押し浮けて/又棚清らは 押し浮けて/又船子 選で 乗せて
一くめのこいしのか やれ け/又もゝうらこいしのか/又あさとれか しよれは/又ようとれか しよれは/又いたきよらは おしうけて/又たなきよらは おしうけて/又ふなこ ゑらて のせて